【GPSは駄目?】子連れ登山の為の地形図の見方【覚えるのは6種類】

地形の読み方 アウトドア

この記事はこんな人に向けて書かれています。

子連れ登山を始めたばかりで地図の読み方をこれから覚えようとしている人

地図を見たほうが良いと聞いたことがあるものの、何から覚えたらいいかわからない人

自分の実績としては高校時代山岳部に所属し、

競技登山の種目でインターハイ出場経験があります。

卒業してからも登山は続けており、子供が生まれてからも継続しています。

子連れ残自体の登山経験は数十回行っています。

先日、0歳から子連れ登山に連れて行っていた娘が10歳になりました

恥ずかしい話ですが、高校山岳部で地図読みを覚えた(覚えさせられた)にも関わらず

道間違いをしてしまった事もあります。

その状況というのが、地図の見方がいまいち分からないという人と出会って、

『意気揚々と先導して歩いた時に道を間違う』という、なんとも情けない状況でした。

結果的に途中で気が付き、暗くなるギリギリで下山し事なきを得たのですが…

登山道がしっかり着いており、なおかつ何度も歩いたという実績があったので

地図とコンパスを使わずに尾根の分岐を間違えた完全に自分の失態でした。

それ以来、どんな山に行くときも登山地図、地形図、GPSを携帯するようにしています。

GPSじゃ駄目なの?

紙の地図とGPSでは目的が違います。

GPSは現在位置の特定の為に使用

紙の地図(地形図これから歩くルートを把握する事ができます。

もちろん、紙の地図でも現在位置の特定はできますが、ある程度の読図知識が必要となります。

登山用のGPSやスマホアプリの発達により

現在位置の特定は科学の進歩によってとても簡単になりました。

私自身、スマホアプリを使用して現在位置を確認することも多くあります。

これから歩くルートに関しても、地形図を表示するタイプのGPSで対応できなくも無いですが

いずれにしても地図を読む知識が必要となります。

GPSが教えてくれないこと

自分が歩くルートをGPSに登録して、ルートから外れたらお知らせがなる

といったような事には技術に進化でできるようになって来ると思いますが、

基本的には現在位置を示すための機能です。

これから歩くルートに『尾根ルートで小ピークのあとに割と下る』とか

『稜線まで急勾配が続く』というような事は地形情報を読まないとわかりません。

GPSのデメリットを把握しておく

とても便利なGPSですが、デメリットを把握しておくことで

リスクを回避することが可能です。

電池が切れる事がある

低温状態だと消費が著しく進むことがあります。

ジャケットの内ポケットに入れる等

外気に触れさせないような工夫と、モバイルバッテリーを用意しておく事で

ある程度リスクを減らすことができます。

PS衛星からの信号が受信できないことがある

谷部にいる場合、GPS衛生の位置によっては信号を受信できない事があります。

スマホアプリで運用する場合では、GPSの精度が出ないことは多々あります。

個人的な感想ですがiPhoneを始めとしたハイスペックスマホだと、安定している印象があります。

最も信用できるのが日本の準天頂衛星である【みちびき】に対応したガーミン等のGPS専用端末です。

端末が破損することがある

落としたり水没して破損する可能性があります。

対策としてはアウトドアで使用を想定されている

防水性のある高耐久なものを使用する事

破損した場合でのバックアップを用意しておく事

そのバックアップの一つが紙の地図を持つことでもあります

山のどの地形にいるか把握する

GPS端末で確認するのは登山道の上の自分の位置ではありません。

地形のどの場所にいるか把握することで得られるメリット

山は主に尾根と谷でできており、山脈であれば隣と続く稜線があります。

稜線には必ず鞍部(コル、峠)があり、自分が今どこにいるのか意識しながら歩くのが大事です。

GPSやスマホアプリで現在位置を確認する時も、登山道の上の自分の位置を確認するだけでなく

地形のどの場所にいるかを意識することにより、地形図を理解しやすくなっていきます。

地形図が理解できたら

『この先に急斜面があるから少し体力を温存しておく』等の

先読みでのペース配分を行える他

道迷いが原因での遭難のリスクを減らすことが出来ます。

地形図と登山用の地図の違い

基本的な縮尺率が違います

地形図はその名の通り地形情報を読み取りやすく

登山地図広範囲で、山小屋等の設備や水場等の情報が豊富に表記されています。

地形図

縮尺度2万5千分の1を基本としています。

等高線は非常に読みやすく、地形がイメージしやすいが登山道や施設の情報は少ないです。

基本的には自分で書き込んだり、登山情報サイトでカスタムされたものをダウンロードします。

国土地理院Webサイトでダウンロードできます。

国土地理院Web

登山地図

5万分の1(一部違うものもある)

等高線は見にくいですが

コースタイムや山小屋などの情報が記載されているおり

登山計画や広範囲の山域情報が知りたい時に使いやすいです。

山に入るときは両方持っていくようにしており、

地形図は行動中に使用し、見晴らしの良いところでゆっくりと休憩するときには

山と高原地図を広げて遠くの山まで見ていると、とても楽しいです。

地形情報の基本

最初に覚えるべきところは

『等高線』『ピーク』『尾根』『谷』『稜線』『コル』の6つです

等高線

地形図を見るのは、ほぼ等高線を見る為です。

等しい高さをつないだ線であり、基本的に交わることはありません。

2万千分の1

標高差10mごとに引かれています。

50mごとのキリの良いところでは濃くて太い線で引かれます。

5万分の1

標高差20mごとに引かれています。

100mごとのキリの良いところでは濃くて太い線で引かれます。

国土地理院Webサイトで配布されている地図データは

縮尺自体はユーザーが自由に設定できますが

等高線情報については2万5千分の1で書かれています。

国土地理院Webサイトより

上の画像の赤枠部分を拡大、加工

緑色の線:50m毎に引かれている等高線を強調

オレンジ色の線:自分の歩くことを想定した登山道を強調

自分の歩くルート上に重なる太い等高線を強調し、標高を書き入れると使いやすいです。

山頂(ピーク)

山の一番高い所

国土地理院Webサイトより

山頂付近を拡大

国土地理院Webサイトより

水色の丸で囲んだ箇所(1212m)が山頂です。

隣の△1209.4は「一等三角点」であり、御在所岳の山頂ではありません。

一等三角点は測量の為に定められた基準の点であり

一等三角点が山頂となる山もありますが、必ずしもそうではありません。

尾根を通るルート

山の連続した突起部分を指し、谷と谷の間にある部分。

山頂にから下へ向かっ枝分かれしていくのが特徴

下の画像の赤矢印は尾根をメインとした登山道です。

国土地理院Webサイトより

谷を通るルート

尾根と尾根に挟まれて低くなった所であり、水が流れている場合もある

山頂へ向けて枝分かれしていくのが特徴

下の青矢印は谷をメインとした登山道です。

国土地理院Webサイトより
谷と尾根をイメージしてみる
国土地理院Webサイトより

地理院地図3D

上記リンクから国土地理院地図で3D表示ができます。

一度見てみると尾根と谷をイメージしやすいです。

登山道は尾根か谷、どちらかを通っていますが

尾根から谷、または谷から尾根に移動する際に、斜面を通ることもあります。

稜線

ピークとピークを繋ぐ尾根です。

尾根との明確な違いはないそうです。

国土地理院Webサイトより
国土地理院Webサイトより

コル

峠、鞍部とも言います

ピークとピークの間の低い所です。

国土地理院Webサイトより
国土地理院Webサイトより

地理院地図3D

上記リンクから国土地理院地図で3D表示ができます。

登山ルートの中身

登山の工程はざっくりと下記のように表現ができます。

登り

登山口→谷を歩く→斜面を歩き尾根に乗る→稜線に乗り山頂へ歩く→山頂に着く

下り

山頂→稜線を歩き峠に向かう→谷を歩く→登山口に戻る

「〇〇峠に向かう為、〇〇尾根の上を歩いている」といったように意識すると良いと思います。

まとめ

GPSも登山地図も地形図も全部使う

GPSはデメリットを把握する

地形のどの部分を歩いているか常に把握する

読図を学び直すために下記本を購入して読んだりもしました。

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