【スペック比較】マナスル121vsジェットボイル

アウトドア

マナスル121vsジェットボイル、数値で測れない部分も対決させてみる

目的

マナスルとジェットボイルどちらを買おうか

迷っている人に対しての判断材料の為

まずはスペックから

マナスル121

燃料/灯油

重量/1050g(タンク本体・バーナー・三脚・ケース)

収納寸法/180x140x105(mm)

燃焼時間/約2.5時間

※灯油入り(中途半端に)ウエス、プレヒート用固形燃料、ライター等を含む

メリット

ピカピカでかっこいい

とんでもなく低燃費

デメリット

プレヒートが必須

最新の軽量テント並の重量

JETBOILジップ

燃料/ガス

重量/約400g(ゴトク、スタビライザー含む)

収納寸法/Φ104×165

メリット

お湯沸かしが圧倒的に速い

公式HPでは沸騰まで2分30秒とのこと

デメリット

サーモレギュレーターが無いため強火のみの男気仕様

お湯を沸かすのに特化

イグナイターが無いためワンタッチで着火不可

着火にはライター等の火種が必要

※使用中のガスカートリッジ、着火用ファイヤスターターを含む

実際にお湯を沸かしてみる

条件

水の量/500ml

季節/8月

天候/雨

JETBOIL/専用クッカー

マナスル121/チタン製軽量キャンティーンカップ

計測時間

マナスル選手にプレヒート用燃料の設置~沸騰状態の目視確認まで

スタッフが一人しか居ないため、

マナスル選手プレヒート開始→JETBOIL選手着火及び専用のクッカーセットという特別ルール

また、ジェットボイル選手の専用クッカーの蓋をしてしまうと、

沸騰状態が目視確認できない為、蓋はしないものとする。

マナスル選手贔屓だという異論は認めない。

事前準備

常温の水道水500mlを入れる

計測開始

ルールに則り、マナスル121選手のプレヒートから開始

当時はプレヒート用固形燃料を「メタ」と読んでいた。

JETBOILセット完了

JETBOILジップ選手は着火装置がついていないため、ファイヤースターターで着火

開始から3分で早くも・・・

JETBOIL選手沸騰を確認!

マナスル選手プレヒート完了

加圧の度に轟音と炎の勢いが増す!

頑張れ俺たちのマナスル!!!

まだ行けるぞ!

開始から7分48秒でまさかの・・・

JETBOIL選手自ら沸かしたお湯の差し入れ

スタッフがホットコーヒーを入れてしまうアクシデントが発生

マナスル選手のお湯が沸く前に、熱々のコーヒーを飲み切ることが出来るのだろうか・・・

そしてついにあの瞬間が・・・

遂にマナスル選手のお湯が沸騰!!

残念ながら熱々のホットコーヒーを飲み切ることはできなかった!

マナスル選手、魂の逆転勝利

そして計測終了

結果は『12分57秒』

途中から何故か完全にマナスル選手の応援をしてしまった。

まとめ

マナスル121

JETBOIL ジップ

実重量

重い/約1355g

軽い/約454g

収納寸法

大きい/180x140x105mm

小さい/Φ104x165mm

沸騰速度

12分57秒3分22秒

儀式感

高い

低い

所有欲

高い

普通

ピカピカ度

高い

低い

マナスルには人を引きつける魅力がある

そしてマナスルのお湯を沸かしながら飲むコーヒーは美味い

マナスル小話

初めてマナスル(当時はラジウスを使用していた)を手にしたのは15歳の頃だった。

高校で山岳部に入部し、一番最初に先輩から教わったのがラジウスの使い方であり、

すでに一般的になっていたガスストーブしか触ったことのない私にとっては、

未知との遭遇であった。

ラジウスの印象としては決して良いものではなかった。

プレヒートの意味をイマイチ理解していなかったので、

燃料が気化する前にポンピングを行い、生の燃料噴射をさせ炎上することはもちろんの事

山でニップルがつまり、掃除をしようと思ったら

掃除針(当時はマンドリンと呼んでいた)を忘れてきており、

ちょろちょろ火力で長時間かけて料理をし、鍋をススで真っ黒にしてしまう事も何度もあった。




また、当時のラジウスはブリキ缶でなんともパッキングがしづらく

燃料コックの締め忘れで、ザックの中すべてが灯油臭くなったこともあった。

団体装備でラジウスと食料を必ず分けていたのを今でも覚えている。

そんなラジウスを四苦八苦しながら使い続け

何度かの登山大会に出場した時、

ラジウスを現役で使っとるなんて凄いな』と

他校の山岳部の顧問の先生に言われた事を鮮明に覚えている。

今思い返すと、その瞬間に

ラジウスをこだわって使いづつけることに対しての誇り

のようなものが生まれたのだと思う。





そんなラジウスの使い方を後輩に教える立場になったとき

そんなラジウスの使い方を後輩に教える立場になったとき

自分の隊がインターハイ予選で勝ち抜き

県の代表として熊本の阿蘇山で行われるインターハイに出場できることになった。

所属している山岳部がインターハイにでるのは史上初で

競技登山に特化しているような山岳部でも無かった

とにかく経験と情報が無い。

当時入手できた情報としては『阿蘇山はめちゃくちゃ暑いらしい』という事のみであり

できる対策は徹底的な軽量化ぐらいであった。

学校からインターハイ対策用の予算が出たので、

当時軽量と言われていたのZEROポイントのザックと、夏用のダウンシュラフ

ワークマン製の作業着をユニフォームとしてメンバー分揃えてもらった。

登山靴に関しては、大会中さえ持てばいいという事で、

コストが安く軽量なコールマン製の軽登山靴を購入

それまで使用していた登山靴と比べ、なんとも頼りなかったが

そこまでしての軽量化が必須だと納得して涙をのんで使用した。






そして問題となってくるのが、ラジウスの存在である。

使用方法が複雑で、重量が重い上にパッキングがしにくい。

これを削れば圧倒的に軽くなる、しかし・・・

他校と比べ不利になろうが、これまでずっとこだわりを持って使ってきた。

ただ、これから挑むのは未知の熊本インターハイである。

リタイアだけは絶対にしたくない。

団体装備に加えたのは・・・














EPI製のヘッドとガスカートリッジだった。




結果的にインターハイは全行程歩き通すことができ

体力審査だけを見たら優勝校と比べても遜色なく

トップクラスの結果だった。


初出場のインターハイで優勝を狙っていたわけでもない、

そもそも競技登山をやりたくて、山岳部に入部したわけでもない。

ただ、鈴鹿山脈で鍛えた自分たちのスタイルが、他の山系でも通用することを証明したかった。

その為にリタイアだけは絶対にしたくなかった。

大会の結果自体は納得している。




それだけだった。





大人になった今、あの使いにくいラジウス(マナスル)を所有している。

あの時、団体装備から外してしまったラジウスを…自分たちの誇りを…



灼熱の阿蘇山で沸騰させてコーヒーを飲んでやろうと、楽しみにしている。




軽くて便利なJETBOILで。




以上。

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