【はしかい】稲刈り中にチクチクする原因と対策と語源
今年の稲刈りも一段落し、いつもながら『はしかく』なってので
なぜはしかくなるのか?という原因をまとめてみた。
また『はしかい』は全国共通のつもりで話していたが
どうも方言っぽいので、語源と使用している地域についても調べてみた。
意味は下記の通り。
はしかい=ちくちくする、痛痒い
結論【はしかくなる原因はガラス質の棘】
籾殻の表面にはガラス質の小さな棘状のものがあり、
それが皮膚に刺さり取れにくいので『はしかく』なる。
なぜ棘状のものがあるのか
動物の体毛などに付着し、より遠くに種を移動させ、植物が自分の子孫を残す為
オナモミ等の引っ付き虫と同じ手法であり
実際に靴下に着いた籾殻はなかなか取れない。
なぜガラス質になっているのか
ガラス質でより一層硬い構造にし、中の米を包んで守る為
自然の中での稲の種は、秋が終わると地面や水中に落ち
その後春が来るのを待って発芽、成長を始める。
それまでに乾燥や降雨等の環境の変化から
強固な殻で覆うことにより中の種子を守る事ができる。
また、籾殻で守られている状態だと
鳥に食べられても消化されずに糞と共に排出されて
繁殖範囲を広げることができる。
ガラス質はどこから来たのか
コンバインで稲を刈り取りると、脱穀し、葉や稲ワラはその場で粉砕、土壌へ撒かれる。
その後、微生物に分解されより多くの珪酸を含んだ土壌になる。
稲には土壌中の珪酸(水に溶けたケイ酸塩)を根から吸収し、
特定の細胞に蓄積しガラス質に変化させる機能がある。
この植物が作り出したガラス質の結晶を
『プラントオパール』と言う
植物が作る宝石『プラントオパール』
プラントオパール自体、植物が厳しい環境に適応するために作られた物質なので
変化しにくく、植物が枯れても、燃やしても残り続ける。
プラントオパールは植物により独特な形があり
その形状から植物を特定することができる事もある。
このことから、昔の地層に残されたプラントオパールを調べると
その時代にどのような植物が生えていたかを知ることができる。
はしかいの語源
北陸、近畿、四国を中心に西日本で使われている模様。
「イネ科の種子の先にある針のような毛」を意味する
「芒(のぎ、のげ、ぼう、はしか)」から派生した言葉との事。
意味は『ちくちくする、痛痒い』との認識。
【方言】他の地域で意味が違う
他の県では違う意味で使われていたので、少しだけ抜粋。
徳島県
維持が悪かったり生意気だったりして面倒な性格
石川県
賢い、利口、要領がよい、ずる賢い
山口県
気が短い
その他近い言葉で
【はしこい(足が速い、すばしっこい)】という使われ方もしている模様
麻疹の語源になった
麻疹ウイルスに感染し麻疹になると
喉や皮膚がチクチク、ヒリヒリした感じになる。
それが麦の穂先でこすった感じと同じであることから
「はしか」の語源は「はしかい」(ちくちく・ひりひりと かゆい)に由来する。
はしかくならないために
服でカバー
長袖長ズボン、手袋、長靴、帽子、首にはタオルで全身を守る。
コンバインの近くで作業するときは、保護メガネやマスクも使ったりするのも効果的。
コンバインや籾摺機から出る粉塵から距離を取るのが大切。
保護クリームを事前に塗っておく
ワセリンを塗っておくと良いと聞いたことがあるが
塗ったことが無いのでちょっとわかりません。
そういえば
グラスファイバーを含んだFRPを研磨するときに、
チクチク対策として肌に保護クリームを塗るとも聞いたことがあるので
油分がいい感じに「はしかい」成分をブロックしてくれることも考えられる。
ワセリンの具体的な使用方法についてはこちらにまとめたのでよかったら見てください。
はしかくなってしまったら
風呂に入る
シャワーのみや水で流すだけではあんまり取れない
石鹸をしっかり泡立てて全身を洗い、湯船に浸かるのが効果的
それでも多少は残るが
体の新陳代謝で勝手に収まっていくのであまり気にしない。
服の選択と洗濯
服の素材にもよるが
1回で洗ったぐらいでは、まだはしかくなる成分が残っていることも多いので
何回か洗う必要あり。
つるつるのナイロン素材のようなものが落ちやすい
まとめ
はしかくなるのは植物が長年かけて進化した結果
語源は【芒( のぎ、のげ、ぼう、はしか )】から来てる説が有力
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