「うちの子、AI時代についていけるだろうか」
そんな不安を持つ親御さんが増えています。
私は三重県でプログラミング教室(プロクラ鈴鹿校)を運営しながら、大人向けのAI講座や、高校生の探究学習メンターとして活動しています。
子どもから大人まで、さまざまな世代がAIと向き合う現場に立ち続けてきました。
その中で、はっきりと気づいたことがあります。
AIを渡されたとたん自走していく人と、「何を聞けばいいかわからない」と止まってしまう人が、はっきり二極化しているのです。
エンジニアの知人がAI講座を主催していて、一緒に話したとき、この話題になりました。
講座に来る参加者の中に、
「AIって何でもできすぎるから、逆に何を聞けばいいかわからなくなるんですよね」
という人が一定数いるというのです。
文章作成か画像生成、どちらか一つの使い方しかしていない人がほとんどだと言っていました。
この話、とても腑に落ちました。私自身、現場で同じ場面を何度も見てきたからです。
「自由にやっていいよ」と伝えた瞬間、思考が止まってしまう。
何をすればいいかわからなくて、手が動かない。AIに限らず、「正解のない場面」に慣れていない人が、確かに一定数いるのです。
なぜこんなに差が生まれるのか。考えていたら、ふと思い当たることがありました。
現代は「正解の手順」があふれている

レゴで遊ぶとき、説明書通りにしか作れない子がいるという話を聞いたことがあります。
飛行機のセットを作り終えた後、「じゃあ次は船を作ってみよう」と切り替えることができない。
一つは完成させられるけれど、そこから先に進めない。
実は、レゴが誕生した1930年代〜50年代は、説明書などありませんでした。
子どもに渡されるのはブロックの塊だけ。
「何を作るかは自分で考えろ」というのが本来の姿でした。説明書付きのテーマセットが主流になったのは、ずっと後の話です。
レゴだけではありません。ゲームには攻略サイトがあり、テストには解法パターンがあり、仕事にはマニュアルがあります。
公園の遊具にさえ「正しい遊び方」が書いてある時代です。
誤解してほしくないのですが、マニュアルや仕組み化は本当に大切です。組織を動かすには欠かせない。攻略サイトを調べることも、効率的な学び方の一つです。
問題は、「手順のない場面に立ったとき、自分で考えられるか」 です。
AIはまさにその場面です。使い方を指定されれば動ける。
でも「自由に使っていいよ」となった瞬間に止まってしまう。
手順のない状況に、慣れていないのです。
幼少期の遊び方が、大人になってから効いてくる

子どものころ、ゴールが決まっていない遊びをどれだけ経験してきたか。これが思ったより大事なのではないかと考えています。
レゴ、Minecraft、外遊び。共通しているのは、正解がないことです。
何を作っても良い。どこへ行っても良い。どう遊んでも良い。
この「自由の中で自分で考える経験」が、大人になってからの自走力につながっているのではないでしょうか。
逆に、ゴールや手順が最初から決まっている遊びばかりしてきた子は、自由を与えられたときに動けなくなりやすい。
AIを前にしたとき、まさにそういう状態になってしまうのだと思います。
これはあくまで私自身の観察と仮説です。
科学的なエビデンスがあるわけではありません。
ただ、現場で子どもや大人と関わり続けてきた中で、「そうかもしれない」と感じることが積み重なってきた。そういう話として読んでいただければ幸いです。
今からでもできること

AIを使いこなす側の子に育てたいなら、AIの使い方を教える前に、説明書のない遊びをたくさんさせてあげてください。
親が先回りして「次はこうしなさい」と指示するのではなく、ぼーっと考える時間を与える。
答えのない問いに向き合わせる。そういう経験の積み重ねが、将来の自走力になります。
本当は、キャンプや外遊びで「何もない時間」を経験させるのが一番です。
道具も説明書もない場所で、「さあ、何して遊ぶ?」と問いかけられた子どもは、自分で考えるしかない。
その経験が、将来の自走力に直結します。
そのとき、ゲームやスマホは持っていかないことをおすすめします。
ショート動画やSNSは、次々と「正解のコンテンツ」が流れてくる仕組みになっています。
見ているだけで時間が過ぎる。考えなくていい。これは「説明書のある遊び」の最たるものです。
創るのではなく、消費する時間。その差が、じわじわと子どもの思考力に影響を与えていきます。
忙しい日々の中でキャンプが難しければ、まず家庭の中から始めてみてください。おすすめはこの2つです。
・LEGO
- Minecraft
どちらも「正解がない遊び」の代表格です。
最初は親が一緒に遊びながら、「次は何作る?」と問いかけるだけで十分。
答えを教えないことが、一番の教育になります。
プログラミング的思考力を、もう一段深めたいなら
家庭での遊びに加えて、プログラミング教育も「説明書のない遊び」と同じ力を育てます。
私が運営するプロクラ鈴鹿校では、作るものを自分で決めて、試行錯誤しながら形にしていく授業をしています。
コードの書き方を教えるだけでなく、「どう作るか自分で考える力」を育てることを大切にしています。「次は何を作ろうか」と自分から動き出す子が育つのを、現場で何度も見てきました。
さらに、HCA白子ベースではMinecraftの世界とリアルをつなげるアウトドア体験活動も行っています。ゲームの中だけで終わらせず、実際に自然の中で「何もない場所から何かを作る」経験をする。
画面の中の創造力を、現実の世界でも発揮できる子に育てることを目指しています。
AIに使われる子ではなく、AIを使いこなす子に。
その土台は、幼いころの遊び方と、自分で考える経験の中にあります。
気になる方はお気軽にご相談ください。


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